小児歯科は子どもの歯の治療を専門とする歯科のことです。乳幼児から中学生ぐらいまでが対象です。
子どもの口の中は非常に変化が激しいため専門の知識が必要となります。
また技術だけではなく、お子様が安心してリラックスして治療を受けられる環境を作るなど、技術以外の配慮も必要です。
小児歯科の治療内容
小児歯科では、以下のような治療を提供しています。
- 子どもの虫歯予防・治療
- 子どもの歯周病予防・治療
- 乳歯の抜歯
- 矯正
子どもの歯の健康を守るために
歯の健康については子どもはほとんど意識をしません。
そのために子どもの歯の健康は両親がしっかりと見守り指導していかなければなりません。
まずは以下のことに注意する必要があります。
1.虫歯菌感染の防止
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいません。成長していく中で、他人の虫歯菌が移ってくるのです。
特に母親から感染する場合が多いので、キスをしたり同じ食器を使ったりすることはやめましょう。
2.食習慣
虫歯は糖分を栄養にするため、甘いものをたくさん食べたり、間食が多かったりすると口の中の糖分が多くなり虫歯になりやすくなります。
糖分を控える、糖分をとったらすぐに歯磨きをするといったことを習慣づけましょう。
3.歯磨き
虫歯予防、歯周病予防に最も効果的なのは自宅での毎日の歯磨きです。
特に睡眠中は虫歯の進行が非常に進むので、就寝前の歯磨きは念入りに行うようにしましょう。フッ素入りの歯磨き粉を使うとより効果的です。
4.仕上げ磨き
子どもが自分自身でやる歯磨きは、どうしても多くの磨き残しが出てきてしまいます。
そのため歯磨き後は両親がチェックをし、細かいところは仕上げ磨きをしてあげてください。
5.歯科医院のプロケア
子どもの口の中は激しく変化するため、3ヶ月に1度は歯の状態や歯並びなどを歯科医に診てもらい、必要に応じて歯の清掃なども行う必要があります。
年齢別お子さんの歯の守り方
乳歯時期(生え始め)
生まれてから半年くらい経つと乳歯が生え始めます。そうしたら以下のことを心がけましょう。
- 食べ物の口移しや食器の共有をしない
- 甘いものをあまり与えない
- 食後の歯磨き、ガーゼで歯を拭う
- 歯科医でフッ素塗布
乳歯時期(生え揃ったあと)
3歳くらいでに乳歯が生え揃います。
食事の量もどんどん増えていき虫歯になるリスクも高くなっていきますので、以下のことを心がけましょう。
- 朝、夜の歯磨き
- 歯磨き粉はフッ素入りのものを使う
- 歯科医によるフッ素塗布
永久歯時期(生え始め)
5歳くらいから、乳歯が抜け始め永久歯に生え変わります。
生えたての永久歯は免疫力が非常に弱く虫歯になりやすい状態であるため、以下のことを心がけましょう。
- シーラント
- 食生活のチェック
- 歯科医によるフッ素塗布
永久歯時期(生え揃ったあと)
12歳程度で永久歯がほとんど生え揃います。
この時期は奥歯の虫歯が非常に増えますので注意が必要です。また、両親との食事以外でも食べる機会が増える時期でもあります。
- シーラント
- 食生活のチェック
- 歯科医によるフッ素塗布
子どもの癖
口の中の健康を阻害する癖がいくつかあるのでご紹介致します。
頬杖
同じ側で頬杖をついたり、うつ伏せで寝たりすると顎の成長のバランスが悪くなり、顔が歪みやすくなります。
偏った食べ方
よく噛まない、早食い、どちらか片方の歯でばかり噛むなど、咀嚼に関する悪い癖も顎の成長を妨げ、歯並びを悪くします。
口呼吸
呼吸は鼻の役割です。
そのため口呼吸を続けていると歯並びの乱れ、顎の変形、口内の乾燥で虫歯になりやすくなるなど悪影響を及ぼします。
乳歯のうちから気をつけるべきこと
乳歯は数年で抜けてしまうため、虫歯になっても問題ないという声を時々聞きますがそれは大きな間違いです。
乳歯が健康であると、永久歯も健康に保ちやすくなります。
逆に言えば、乳歯に虫歯が多い子どもは大人になってからも虫歯や歯周病に悩まされることが非常に多くなります。
虫歯になった乳歯を永久歯にバトンタッチする前に抜歯すると、口全体の歯並びに悪い影響を及ぼすことがあります。
そうすると歯ブラシが届かない場所ができて、虫歯や歯周病になりやすくなるという悪循環になってしまうのです。
乳歯の時期から口の中の健康・歯の健康を保つことで顎が正しく成長し、それによってケアがしやすくなるのです。
子どもの口の中の成長は非常に早いので、小児歯科で定期検診を受けることをお勧めします。
当院では歯医者が嫌いなお子様でも、リラックスして安心して治療を受けられる環境をご用意しております。